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技工CADに最適なPCとは?


少し歯科技工から離れますが、非常に関連する話題です。

将棋の藤井聡太という棋士を御存じでしょうか。弱冠19歳ながら8つある将棋のタイトル中、現在5つを獲得し、他を寄せ付けぬ圧倒的な強さで話題です。


その藤井5冠のインタビュー記事でいくつか印象深いものがあります。

将棋の神様がいたら何をお願いするか?と聞かれ、「そのような方がいらっしゃるのなら一手お手合わせ願いたい」というものや、将棋がお休みの日には何をしているのか?と聞かれ、「将棋を見ています、指す将棋と見る将棋は違います」と答えるなど、ともかく将棋一筋らしいエピソードがいくつもあります。


その藤井5冠が以前のインタビューで、今一番会ってみたい人は?という質問に答えたことがあります。なにせ寝ても覚めても将棋漬けの藤井5冠の事です。当然将棋に関連した人物だろうと誰もが考えたところ、その答えは意外にも「AMDのリサ・スーCEO」という人物でした。


AMDというのはコンピューターの計算能力をつかさどるパーツのCPU、Ryzenシリーズを開発、生産している会社です。なぜ棋士である藤井5冠がコンピューター関連企業の社長に会いたいのでしょうか。


コンピューターの性能が勝負の分かれ目?


これには少し説明が必要です。このことの重要な一つの要素は現在の将棋は人間よりもAIの方が強くなっている、ということが挙げられます。

棋士と常人の差は、何手先まで読めるかというところにあり、常人では数手先ですが、棋士は何十手も先を読みながら将棋を指します。ところがAIは何十手どころか数億、数十億手のパターンを瞬時に計算し、その中の最善手を指すことができるのです。


さすがに棋戦の最中にはコンピューターは使えませんが、事前にAIを使用して研究しておくことが、現在ではトップクラスで勝利するために必要不可欠になっているのです。

藤井5冠はこの将棋のAI利用の名手としても知られています。コンピューターに関しての造詣も深く、使用しているコンピューターも自作であり、最近のインタビューでは100万円が手元にあったら、新しいコンピューターを組みたいと答えています。


将棋のAIのためのコンピューターに必要な性能は、何億手先までといった膨大な計算を、できるだけ短い時間で行う能力です。つまり一番大切なパーツは計算をつかさどるCPUです。藤井5冠のコンピューターの全体の構成は不明ですが、CPUがAMDのRyzen Threaripperであることは明らかになっています。



AMD Ryzen Threadripperは現在入手が可能なパーツの中では最も高速(そして最も高価)といわれ、研究を効率よく行うために大変重要です。先に藤井5冠がリサ・スーCEOに会いたいと話していたことからもその重要さがうかがえます。

そして高速のコンピューターによる研究が藤井5冠の強さの秘訣と認識され、それに対抗するために昨年にかけてトップクラスの棋士の間で、高額なコンピューターを導入する事例がいくつか話題になっていました。


さて前置きが長くなりましたが、将棋というまったく伝統的な人間と人間とが競う世界でもこれほどコンピューターが重要となっているのに、我々歯科技工士はどうでしょうか。

特に我々CAD/CAM技工士はそれこそ朝から晩までコンピューターを使って作業していますが、その内容にはあまり注意を払っていないように思います。


これまでの歯科技工の作業環境はコンピューターとは全く疎遠でした。身の回りにある道具といえばブンゼン灯にエンジンハンドピース、よくてデジタルっぽいのはファーネスくらいのもので、このような環境で過ごしている中で、コンピューターを一から組み上げるなど思いもよりません。


また最近では我々のようなユーザー向けにBTOパソコンというものも登場しています。BTOとはBuild to Orderの略で受注生産を意味します。現在ではコンピューターを仕事に使用することが当たり前となり、パーツ類もそれらの用途に合わせて専門化、高度化しています。

つまり使用する用途が事前にハッキリしていれば、それに適したパーツを選んでコンピューターを構成して受注生産すれば、より安価でより高性能な、目的に特化した機体が購入できる、という仕組みの事です。


CAD/CAM用のパソコンはBTOで


先の藤井5冠も現在ではパソコンを一から組み上げるメリットはあまりなく、BTOで十分、と発言しています。

ところが我々歯科技工士ときたら、このBTOでも手に負いかねます。それは歯科用CAD/CAMに使うコンピューターにあった方が良い性能は何となくわかるのですが、数あるパーツ類の中からどれを選べば目的に合った性能が得られるのか、皆目見当がつかないからです。


そこで今日ここでお知らせしたいのは、歯科技工に使うコンピューターをBTOで組む際の指標です。

これまでスワデンタルでは数々のコンピューターをCAD/CAM使用し、そして使い潰してきました。おそらくその数は50台近くになると想像します。その経験の中から「日本の歯科技工所で求められるコンピューター」というものを弊社CAD/CAMセンターの三浦がまとめてくれました。以下PDFからご覧ください。


PCiroha_A4
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ダウンロード:PDF • 10.49MB

日本の歯科技工所で使用するコンピューターに必要な要件は、まず第一に「故障しないこと」です。

技工室というのは概して非常に埃っぽく、コンピューターを設置する環境としては最悪の部類です。石膏の粉塵や金属の研磨粉もそうですが、問題はジルコニアの粉塵対策です。CAD/CAMの主要な加工対象であるだけに、コンピューターのそばで大量に発生するジルコニアの細かい粉塵は、対策をしないとあっという間にコンピューター内部を粉だらけにします。


つまり故障の少ないコンピュータのためには、開口部が少なくできるだけ埃を吸い込まないようなケースをまず選択する必要があるのです。しかし開口部の小さなケースは粉塵が入らないのは良いのですが、換気(冷却)の効率が悪くなります。これを補うように冷却のためのパーツを強化する必要があります。


またなぜか経験上、非常に頻繁に故障を起こす電源パーツもできるだけ良い物を選ぶ・・・というように我々が提案する歯科技工所のためのコンピューターのイロハです。

 

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