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Prime Solution発表会

昨日、デンツプライシロナ株式会社が主催するプライムソリューション発表会に参加してきました。


この会はデンツプライシロナ株式会社から招待された人だけが参加できる形式で、事前にネット上にも全く情報が出ておらずこのような催しがあること自体に驚きました。


会場は満員。300名ほど。

場所は千代田区の大手町。


プライムソリューションとはデンツプライシロナが提案する新しいクラウドを通じた患者データーの共有サービスの事です。

そしてこのサービスの核となる機器がこの日発表された新型の口腔内スキャナー「プライムスキャンコネクト」と3Dプリンター「プライムプリント」です。


プライムプリント:画像はIDS時

プライムスキャンコネクト:画像はIDS時


口腔内スキャナーやデジタルエックス線装置で得られた患者の3Dデーターと、これまでの印象との最大の違いは、同じスキャンデーターで患者説明にも補綴物設計にも使える用途の多様性にあります。さらに回線間では高速でやり取りができ、何度でも劣化なく利用もできます。


新しい患者データーの共有の仕組み


プライムソリューションはこれらの3Dデーターの特長を生かし、DSコアと呼ばれるクラウドを通じて口腔内スキャナーや3Dプリンター、ミリングマシーン、デジタルX線装置などの歯科医院内の装置類はもちろん、外部の加工センターや歯科技工所、他院までも連携(説明を聞く限りではもちろんデンツプライシロナユーザーのみ対象。例外は一部のCADソフトのみ)し、歯科医療をより便利で確実なものにしていこうという仕組みです。



これだけ大掛かりな仕組みを構築しようとはさすがに歯科業界の巨人デンツプライシロナです。

そしてこのプライムソリューションの第一手が「プライムプリント」を使用した新しい形の補綴物製作です。

この発表会の内容からはデンツプライシロナからは現行機の改良版であるプライムスキャンコネクトよりもこちらのプライムプリントの方に力点を置いているようです。


「CEREC」の血統


プライムプリントは医院内に設置される3Dプリンターで、即日修復のセラミック製作で一世を風靡したミリングマシーン「セレック」の発想の正当な継承者です。口腔内スキャナーでスキャンした3Dデーターを使用して医院内で補綴物製作を行うの両者同じですが、CAD操作を外部に委託する点と、製作対象がインレークラウンだけでないことが大きな進歩です。


3Dプリンターは機械の性質上、ミリングマシーンで扱うものよりも全顎級の大きな製作物を作ることに適しています。プライムプリントも義歯やスプリント、インプラントガイド、個人トレー、そしてパーシャルデンチャーの鋳造用フレームやテンポラリークラウンと非常に幅広い製作物に対応しています。


またデンツプライシロナユーザー同士を連携する、という「DSコア」の発想を信ずるなら近所同士の歯科医院で一台のプライムプリントを共有する、というこの機械だけの使い方も出来そうです。


スワデンタルでのこれまでの機械の運用経験からは、3Dプリンターというものは使いこなしに至るまでに非常に高度な専門知識と訓練が必要です。

ただデンツプライシロナというメーカーは、我々歯科医療従事者という歯には詳しいが機械の事は苦手な「機械の素人」にこういった専門家の仕事をさせるのに非常な腕前を備えています。

同社のこれまでのソフトウェアやミリングマシーンのユーザーインターフェースは我々にミスなく機械を運用させるための配慮が随所に行き届いており、この点が他社と比べての同社のCADCAM製品の大きな特長です。


プライムプリントも構成を見る限りではこれらの歯科医療従事者向けの配慮が行き届いています。

ただ何分先月発表になったばかりの新しい機械と、歯科医院内で3Dプリンターを扱うという日本ではあまりなじみのない新しい仕事であり、事業が軌道に乗るためには多数の専門家の取り組みが必要になると思われます。


我々スワデンタルCAD/CAMセンターのスタッフもその際には何らかの力添えできればと考えています。




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