CAD/CAMの秘訣ここにあり。
- 昌生 千葉
- 2025年8月10日
- 読了時間: 4分
更新日:2025年9月5日
皆さん、CAD/CAMの歯科技工の「成功のコツ」のようなものがもしあるとするならば、それを知りたくはありませんか?
実用的な卓上型の歯科用CAD/CAMの普及で日本の歯科技工所は大きく変わりました。これまで何でもかんでも一から手を動かして作らなければならなかったのが、CAD/CAMを使って作業の一部を自動化できるようになったのです。
そして2014年のCAD/CAM冠の保険導入で日本の歯科技工所でのCAD/CAM導入の流れが加速します。
特に我々のような保険のクラウン・ブリッジが主力製品であった会社はこれの影響が大きく、変化の度合いも大きかったと思われます。



歯科技工所の何が変わったかと言えば、仕事の内容・職場の見かけはもちろん、技工士の働き方まで変化しています。
働き方に関しては劇的な「時短」がやはり大きく、これに関したエピソードで今思い出せるものでは、2012年頃の忘年会の日だったと思いますが、会場に向けて17時頃に仕事を切り上げた我々に、ある先輩技工士が「まだ明るい内に会社の外に出ると、なんか悪いことをしている気分になる」と言ったことを思い出します。
このセリフから普段、どのような働き方をしていたのかは皆様の想像にお任せしますが、このような殺人的な長時間労働がスワデンタルだけではなく、歯科技工所なら日本全国的にごく普通のことだったのです。
つまりすべてが地道な手作業なので必然的に長時間労働(低賃金)だったわけですが、代表の朝倉もこれを評して「10年前を考えるとゾッとするよな」と良く言っています。
現在では総売り上げの過半をCAD/CAM関連製品が占めるようになり、18時の定時帰宅はもはや当たり前で、20時には会社が真っ暗です。
ただ、CAD/CAMの影響によるによる職場の変化の度合いには差があり、スワデンタルは国内で最も変化の大きい会社のひとつだと思われます。
ではスワデンタルに大きな変化をもたらし、今のスワデンタルたらしめたは、CAD/CAMの使い方にどのような心得があったからなのでしょうか。
CAD/CAMの博物館
以前から、歯科用CAD/CAMの博物館をつくりたい、という構想が代表の朝倉にあり、社屋を新しくしたのを契機に実行に移しました。
台の上に並んだ機械類はスワデンタルがこれまで使ってきたCAD/CAM機器類です。
この10年余りでこれだけの機種更新が行われたという事に、現在のCAD/CAMの性能の進展の速さを実感します。


この机の上のある分だけでも定価では合計2千万円分ほどあり、技工士としては胴震いのするほどの巨額ですが、現在では性能が遅れをとるか壊れるかして、経済的な価値は無きに等しいジャンク品となっています。
しかし、これらのジャンクがスワデンタルの「CAD/CAMの使い方」を如実に表しています。
スワデンタルの心得
古い型のCAD/CAMでも丁寧に大事に使い続けている、というのをよく見かけますが、これはSDGsの精神にも合致し、なにより最も安価なCAD/CAMでも技工用品としては最も高価なので、気持ちは良く分かります。
また元々歯科技工士というのは、製作に手間はかからないが値段が高い、という材料・製品よりも、製作に多少の手間がかかっても値段の安い材料・製品を選ぶという「節約志向」を強く持っています。
これも人としては大変美しく、尊重に値します。
しかし現時点で振り返ってみると、スワデンタルのこれまでのCAD/CAMの歩みはこれらの精神とは逆行し、言葉で表せば、
「多少値が張っても手間のかからない機種を選ぶ。お金でなく人手を節約する」
そして、
「高額なCAD/CAMでも使い捨てにする勇気。壊れたらさっさと買い替える」
ということになります。
もっと簡単に言ってしまえば「どんどん使って、どんどん買う。しかも一番いいやつを買う」ということで、これが市場のCAD/CAMの機能の進化の速度と合致して、結果として机の上に常に最新鋭の機種がある、という状態が続くことになりました。
機械の性能が品質と効率を左右するCAD/CAMの歯科技工にとって、最新鋭の機種を使うという事が、個人の力量とそれを総合した組織の戦力に寄与する度合いは計り知れません。
またこの心得の持つもう一つの側面として、会社側も機械に対する投資と投資の回収のサイクルが高速で行われることで、経営陣の「投資の技術」が急速に高まっていったと思われます。
前時代の手で行う歯科技工とは額も効率も桁が異なるCAD/CAMの歯科技工では、もしかしたらこの効果が最も大きいかもしれません。
弊社にお越しの際には、ぜひこの博物室でCAD/CAMのそして日本の歯科技工の変遷を感じてみてください。



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