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IDS2019


2019年のケルンIDSに参加した際には、宿を会場のケルンメッセから鉄道で30分ほどのところにあるボンに取ってありました。そこでいくつかの日本とドイツの文化の違いを感じる事柄に出会ったのですが、その一つがマスクに関する事でした。


ある日、会場から引き揚げてくる列車内で、小学生くらいの女の子が何やら心配そうに話しかけてきます。その時、私は少し咳があったので日本では普通のサージカルマスクを着けていました。そのマスク姿をみてどうやら私の身を案じてくれているようなのです。


そして列車をおりて街を歩いていると、小さな女の子の手を引いた親子連れとすれ違いました。するとその子も好奇心に満ちた眼差しで私のマスク顔を指さします。

その時、私ははたと周りを見回し、そして初めて自分が街でたった一人のマスク姿であることに気付いて、急ぎマスクをポケットに突っ込みました。


後で知ったことなのですが、ドイツでは病気の場合は軽い風邪でも必ず休むのが当然で、マスクを着けて外出するなど、よほどの重要任務を帯びた重病人と思われるという事です。


本人はエチケットと思って良かれとしていたことが、それは日本だけの常識で、逆に周りから奇異に見られていたのです。日本の街中ではどのようなパフォーマンスをすれば子供から指さされるでしょうか。当時のドイツはそれほどマスク姿が珍しかったのです。


その後パンデミックで世界は変わり、あの子たちも今は私と同じマスク姿でしょう。あの時会場で出会って快くスキャンデーターを提供してくれたスロベニアやイタリア、ドイツ、スイス、インドの技工士たちの無事を願わずにはいられません。


2021年のIDSにも参加を予定していたのですが、渡航規制が厳しく結局断念しました。現在のところ最新版はこの2019年の報告になります。



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